アップルが開発中の次世代ヘッドセット、Apple Vision Pro 2に関する最新情報が、著名アナリストMing-Chi Kuo氏から発信されました。Kuo氏によると、Vision Pro 2は今年後半、2025年に発売予定で、M2チップから大幅にアップグレードされたM5チップと、強化されたApple Intelligenceを搭載するとのことです。ちなみに、デザイン面での大きな変更は少ないようです。
Apple Vision Pro 2に搭載されるであろう進化内容まとめ
1. M5チップとR2チップの搭載
Vision Pro 2の最も注目すべき点は、心臓部となるチップのアップグレードです。初代Vision Proに搭載されていたM2チップから、大幅に性能が向上したM5チップへの変更は、処理能力とグラフィック性能の向上を意味します。
これは、没入感の高い複合現実体験を実現するために不可欠な要素です。特に、高解像度のディスプレイ表示、複雑な空間計算、リアルタイムの環境認識処理など、高度な処理能力を必要とするタスクにおいて、M5チップの威力が発揮されるでしょう。
さらに、センサーデータ処理を担当するR1チップも、R2チップへと進化すると予想されます。R1チップは、カメラ、センサー、マイクから送られる膨大なデータを高速かつ効率的に処理することで、スムーズで遅延のないユーザー体験を提供する役割を担っていました。
2. visionOS 2とApple Intelligenceのシームレスな統合
Appleは、Vision Proに搭載されたApple Intelligence機能について公式には詳細を明らかにしていませんが、Kuo氏や他のアナリストの分析によると、Vision Pro 2ではこの機能がさらに進化し、より高度な使用感を提供すると予想されています。
Apple Intelligenceは、デバイスの様々なセンサーデータやユーザー行動を分析し、ユーザーのニーズを予測し、パーソナライズされた体験を提供する技術です。Vision Pro 2では、M5チップの処理能力向上により、Apple Intelligenceの機能がより洗練され、より正確で、より自然なインタラクションが可能になると期待されます。
visionOS 2のソースコード分析からも、Apple Intelligenceの進化を示唆する情報が得られています。M1チップ搭載デバイスとの互換性も示唆されており、Appleが既存のエコシステムとのシームレスな統合を目指していることがわかります。
3. デザインと価格
Kuo氏によると、Vision Pro 2のデザインは初代モデルと大きく変わらないとのことです。これは、アップルがすでに洗練されたデザインに満足しており、機能性の向上に注力していることを示唆しています。重量や装着感についても大きな変化はないと予想されます。
価格については、初代モデルとほぼ同等の価格帯になると予想されています。これは、3,999ユーロ(約56万円)または3,499ドル(約48万円)からという価格設定が維持されることを意味します。
しかし、アップルはより手頃な価格帯のエントリーモデル、「Apple Vision」の開発も進めていると噂されています。この廉価版モデルは、より幅広いユーザー層へのリーチを目指した戦略的な製品となるでしょう。
4. 競合他社との比較
Vision Pro 2は、Meta Quest シリーズやその他のVR/ARヘッドセットとの競争に直面することになります。しかし、アップルは独自のエコシステムと高度な技術力を持つため、競合他社に対して優位性を保つことが期待されます。
ただ、独自路線が良い方向に進むのか、鎖国的な方向で終焉に向かうのか…楽しみでもあり、不安に思うところではあります。
まとめ
Ming-Chi Kuo氏のリーク情報に基づいたVision Pro 2の分析を通して、その進化の度合いとアップルの野望が明確になりました。M5チップとR2チップによるハードウェアの強化、そしてApple Intelligenceの進化は、空間コンピューティングの可能性をさらに広げるでしょう。
価格面では、ハイエンド市場へのターゲットは良くも悪くも維持しつつ、より手頃な価格帯の廉価版モデルも検討されている点は、アップルの市場拡大への意欲を示しています。
しかし、成功のためには、価格設定、アプリケーションの充実、そしてユーザーの教育など、克服すべき課題も残されています。Vision Pro 2が市場で成功を収めるためには、これらの課題への対応が不可欠です。
まぁ、正直このままで行くとMeta Questの勝利で終わりそうな気がしなくもないですが…どうなることでしょうね。