記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
ソニーストアが13万7980円という強気の価格設定で送り出す「PlayStation 5 Pro」。その購入条件としてソニーが打ち出したのは、過去2年間で「60時間以上のゲームプレイ履歴」という前代未聞のハードルだった。これは単なる転売ヤー対策の枠を超え、プラットフォーマーとしてのソニーの苦悩と決意が透けて見える歴史的な転換点だ。
9月28日に始まったソニーストアでの抽選予約で、SNS上を駆け巡ったのはスペックでも価格でもなく、その特異な応募条件だった。日本のPSNアカウントを保有し、2024年9月27日から2026年9月27日までにPS4またはPS5で合計60時間以上のプレイ記録を残していること。対象期間は既に締め切られており、後から慌てて時間を稼ぐことは許されない。10月7日の受付期限までに申し込んだユーザーから抽選を行い、当選者は11月2日までに決済を行う仕組みだ。

狙いは明確だ。Botを駆使した新規の大量アカウントや、日本のアカウントを持たないインバウンド観光客による不正購入の徹底排除。即席の使い捨てアカウントに60時間というプレイ履歴を付与するのは、物理的に大きな障壁となる。転売業者にとって、このタイムパフォーマンスの悪さは致命傷になるはずだ。
しかし、この「60時間の壁」は諸刃の剣でもある。月に数時間しか遊ばない多忙な社会人や、別のアカウントで遊んでいたプレイヤー、あるいはPCゲームを主戦場にしつつ今回のPro機購入を機に回帰を考えていた潜在層。彼らまでもが一律に弾かれてしまう。ゲームプレイの履歴はアクティブユーザーであることの証明であって、決して「自分用として大事に使う」ことの完全な証明にはならないからだ。ソニーは痛みを伴う劇薬を処方したのだ。
Source:Sony

