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ソニーが進めるとされる2028年のPS5ディスク版廃止方針に対し、業界内部から待ったがかかり始めている。パッケージ販売を生命線とする中堅パブリッシャーとの対話を通じ、ソニーが方針転換、あるいは限定的な製造維持といった妥協案の模索へ動き出す兆しが見えてき
発端となったのは、PAX Westの場で明かされた日本一ソフトウェアの米国子会社、NIS Americaの猿橋健三社長による証言だ。北米市場でJRPGの限定版やコレクターズアイテムを精力的に送り届けてきた同社にとって、光学ディスクの完全廃止はビジネスの根幹を揺るがす死活問題にほかならない。
The CEO of Nippon Ichi Software says he's having "discussion" with Sony about its planned discontinuation of physical discs https://t.co/MKtmI0YgQp
— Kotaku (@Kotaku) September 25, 2026
すでにソニー側との直接的な対話が進んでおり、猿橋氏によれば、ソニーはファンやパブリッシャーから寄せられた強い反発の声に耳を傾けている段階だという。箱の中にダウンロードコードだけを収めるキーカード方式では、手元に実物を残したい熱心なファンの熱量に応えられない。開発者向けアンケートでも強い懸念が示されたと報じられており、一方的なデジタル移行への警戒感は根強い。
プラットフォーマーの視点に立てば、完全なデジタル移行は流通マージンの削減と自社ストア手数料の独占を意味する。経営効率を最大化するうえで魅力的な選択肢であることは間違いない。しかし、その強硬な舵取りは、熱狂的なコミュニティに支えられてきたJRPGやインディータイトルの生態系を破壊しかねない危うさを孕んでいる。
強引なディスク廃止を突きつければ、パブリッシャーが競合プラットフォームへ傾斜していくのは必然の流れだ。カートリッジ方式を採用し、次世代機でも物理メディアの継承が濃厚な任天堂に対して、貴重なパッケージ需要とファン層をそのまま明け渡すことになりかねない。
現実的な落としどころとして浮かび上がるのは、一般タイトルの大量生産ラインを縮小しつつも、コレクターズ版や特定タイトルに絞ってディスク製造を継続するハイブリッドな供給体制だ。ファンの所有欲をどこまで尊重できるか。巨大プラットフォームの都合だけで市場を塗り替えることへの反発が、ソニーのデジタル戦略に小さくない軌道修正を迫っている。


