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完全ワイヤレスイヤホンの競争軸が、ノイズキャンセリングの数字争いから実用性と音響設計の融合へとシフトしている。その潮流を決定づける一台が登場した。
OPPOが中国市場で発表した新たなフラッグシップ「Enco X4」だ。デンマークの名門音響ブランド「Dynaudio」との共同開発を継続しつつ、ケース込みで最大53時間という驚異的な再生時間を実現。ハイエンド機に求められる要素を隙なく詰め込み、先行する競合各社へ強烈なプレッシャーをかけている。
心臓部となるドライバー構成には、Dynaudioと手掛けた第4世代デュアルユニットを採用した。11mmのダイナミックウーファーと6mmツイーターの組み合わせにデュアルDACクロスオーバーを配し、歪みを抑えながら量感ある低域を両立させるアプローチだ。高級Hi-Fiスピーカーの思想を落とし込んだサウンドチューニングは、解像度重視の硬い音になりがちな現代のTWS市場において、極めて自然でピュアなリスニング体験をもたらす狙いが見える。


音響面だけでなく、基本機能の底上げも抜かりがない。処理チップには新開発の6nm NPUを投入し、周囲の環境へ瞬時に適応するアダプティブANCを構築した。前世代のEnco X3と比べて最大200%向上したというノイズ抑制力に加え、声を発すると自動で音量を下げて外音を取り込む会話認識モードも搭載する。LHDCによるハイレゾ(48kHz/24bit)伝送や空間オーディオへの対応、さらには骨伝導マイクを含む4基のマイクとAIによる通話ノイズ除去など、フラッグシップに相応しいスペックが並ぶ。
しかし、このモデルが真に市場をざわつかせるのは、そのスタミナだろう。単体で最大13時間、ケース併用で実に53時間。ノイズキャンセリング非適用時とはいえ、一般的な高級機の駆動時間がケース込みで30時間前後に留まるなか、この数字は異次元の域に達している。
充電の煩わしさから解放される実利は、日常使いにおいてスペック以上の恩恵をもたらすはずだ。最新のBluetooth 6.1対応やOSを跨ぐマルチポイント接続、IP55防塵防水など、日々の使い勝手を支える足回りも抜かりなく揃えた。
現地での価格は1,199人民元。日本円にしておよそ2万5000円前後のレンジに収まる。ソニーやBose、Appleといった大手ブランドが4万円前後の価格帯でしのぎを削る中、この価格設定で同等の機能美とサウンドを提示する破壊力は凄まじい。スマートフォンメーカーの周辺機器という枠組みを完全に脱し、単独のオーディオ製品として市場を奪いにきている。
まずは中国での展開となるが、数カ月以内のグローバル展開も予定されているが、日本市場への投入時期は未定である。
Source:Oppo


